サクシードは、一般社団法人日本青少年育成協会「フリービブスプロジェクト」を通じ、全国の少年サッカーチームにビブスを贈る活動も行なっている。また、ジュニアユースチームと提携し、プロサッカー選手を目指すジュニア選手の学業支援を行うなど、サッカーとのつながりも深い。

 今回、サッカー元日本代表監督のジーコ氏がサクシード本社を訪れ、代表髙木との対談が実現した。スポーツが子どもの発達に与える影響、スポーツと学業との両立などをテーマに語り合った。

ルールの遵守、人間関係の構築、健康の管理・・・
子どもたちは、生きる上で大切なことを、
スポーツを通して自然に学ぶ。

 この度はお越し頂きまして、ありがとうございます。本日は、これから夢を叶える子どもたちにメッセージを頂きたいと思い、お越し頂きました。まず早速ですが、サクシードの生徒の中には、サッカーを始め様々なスポーツをする子どもたちがいますが、彼らが大人になっていく過程で、スポーツはどのような影響があるとお考えですか?

 まずスポーツの根底にあるのは、ご存知の通りルールの遵守です。一人じゃできませんから、必ず自分を取り巻く人たちがいます。そんな周囲の人たちといかにして人間関係を円滑にしていくか、やっぱり自然の中でそれを学んでいくというのがまず一番です。サッカーを例にとっていきますと、当然 ルールの遵守、さらに団体スポーツですから、仲間とどう上手くやっていくかがとても大切です。ここで独りよがりな考えに走ってしまうと、どうしても結果に差が出てしまいます。人種や体格差・年齢層・宗教的なことも関係なく、とにかく一緒になって一生懸命に1つのボールを追いかけながら、勝つという目標を目指していく。これこそがサッカーの魅力であり、世界最大の競技人口を持つスポーツのゆえんでしょう。また、スポーツをする全ての人に言えることは、健康面を特に気をつけなくてはいけないという点。食事面や睡眠などに留意し、うまく自分でコントロールする必要があります。そういった健康管理なども自然な形で考えられるようになるというところも、スポーツがもたらす良い影響ではないでしょうか。

 学校や塾の場合、一人の先生との出会いが、その子の人生を左右するような影響を与えることが珍しくありません。親以外にはじめて接する大人の言葉や行動は、良い意味でも悪い意味でも大きなインパクトを持つという自覚を持たなければならないと思います。ジーコさんは、指導する立場の大人たちは、子どもたちにどう関わっていけばよいとお考えですか?

 スポーツによっても差はありますが、年代的に何を伝えていくかが重要です。サッカーでいえば、12~13歳。これくらいの頃は、まずサッカーを好きになる・サッカーを愛するということが一番大切なんです。そんなときに厳しいルールや戦術的なものをあれこれと押し付けると、どうしても子どもたちはそこで燃え尽きてしまいます。私自身も13歳くらいまでは自由にやらせてもらって、サッカーが好きになりました。そこを間違うと、小学生のうちに「もうサッカーはやり切った、もうついていけない」という思いが出てきてしまいます。スポーツをしている環境で一番身近な大人であるコーチや監督が、その時に教えるべきものをしっかりとわきまえて、子どもたちに接していく。これが一番大切なことです。また、その年代に一番合った用具を提供し、ケガにも注意しながら、心から楽しめる環境を作ってあげるということも忘れてはいけません。

技術だけに囚われていては、本当のプロにはなれない。
学業とスポーツの両立が、一流アスリートへの一歩になる。

 私たちの塾にも、スポーツをしている子どもたちが大勢いるのですが、プロや一流のアスリートを目指す子どもたちの中には「勉強よりスポーツ」といって勉強の意味を見出せていない子も多いんです。そういう子たちに勉強の大切さや意義をどうやって伝えていけばよいでしょうか?

 難しい問題ですよね。子どもたちはどうしても、技術にばかり目が行きがちです。私も、いつもブラジルで子どもたちに言うのです、「例えば君が素晴らしいプロ選手になれたとしよう。でも、その時にサッカーさえできれば良いというわけじゃない。例えば、インタビューで自分の思いをうまく話さないといけない。そして引退後の将来はどうするの?」と。サッカーをやる上で、学業というのは絶対に邪魔にはならないということです。日本の場合、少なくとも高校、あるいは大学まで行ってからプロの選手になりますよね。そこで学業の違いと言いますか、ブラジルの場合は、授業の時間帯を朝・昼・夜の三部制から選べるんです。当時私が所属していた「フラメンゴ」というビッグクラブがありまして、学業との両立をはかるために、とても協力してくれたんです。私は大学に通っていましたが、「この時間は授業をやっているから、練習時間はこうしようか」という感じです。時間が被ることなく、学業にもトレーニングにも励むことができました。でもそれは日本では難しく、なかなかそうはいかないですよね。国によってそれぞれ事情は違うと思いますが、学業もスポーツも一流という人材を育成するためには、そういうところもうまく考えていく必要があるでしょう。

トップだけの自己完結では、組織は動かない。
責任を与え、信じて委ねることが成功のカギのひとつ。

 次に組織づくりについてお伺いします。我々は、生徒や保護者に喜んでもらうために、会社として常に成長し続けなければならないと思っています。「組織で戦う」という意味ではサッカーチームも会社も同じだと思いますが、監督としても輝かしい実績を残してきたジーコさんが、組織づくりにおいて大切にしてきたことは何か、教えてください。

 組織で仕事をするときに、代表や監督などのトップは、すべてを把握して自分でやりたがる人が多いんですが、私のやり方は違いました。私が代表チームの監督を務めた際は、食事管理やメディカル、フィジカルなど各セクターのトップを決めて責任を与えました。そうすることによって、各セクターのトップたちは強い責任感を持ち、専門家としてしっかりとその役割を果たしてくれました。従来ではどこか「まあいいや、最終的には監督が責任を持つんだから」というような雰囲気があり、あまり責任感を感じられない状態でした。

 会社でいうと部署の管理職のようなところに責任ややりがいを与えるということですね。当社でもポジションを与えて任せることにより大きく成長する社員をたくさん見てきました。

 そうです。また、先程も申し上げたように、監督は「全て自分で決める」という人が多いのですが、食事管理やメディカルのことなど、専門的な勉強をしたことがないのに、的確な判断が下せるのか?ということですよね。例えば選手がケガをしたときに、監督が「これくらい行けるだろう」と決めるのではなく、そこは専門家に委ねる。的確な処置のあと、各分野の専門家が「もう行けます」という判断を出して、そこでやっと監督が最終判断を下すというわけです。トップだけの自己完結では、組織は動いてくれません。

 なるほど。それでは、ジーコ監督から選手に直接声をかけるときというのは、どういう場合でしょうか?

 やっぱり、見ていて「この選手、最近調子が出ていない」という状態が続いたときは、呼んで話し合ったりしますね。「なにか問題があるの?」と。勝たなくちゃいけないプレッシャーとか、あるいは人間関係とか…。そこを引き出します。ただこれは難しいところで、なかなか監督には言わないんですよね。

 大スターのジーコ監督から声を掛けられると、多分緊張してなかなか話せないですよね…(笑)どうやって心を開かせるんですか?

 「自分の思いを共有することは、結果としてチームのためになるんだよ」と言います。チームのコミュニケーションやコーチングが円滑でなければ、勝つことはできないからです。

スポーツに打ち込める環境にいるというありがたさ、
支えてくれる人たちへの感謝の気持ちを持ち続けること。

 最後になりますが、スポーツに限らず子どもたちにはたくさんの夢や希望がありますよね。その夢を叶えるためにいちばん大切なことは何か、これからの時代を担う子どもたちへジーコさんからメッセージをお願いします。

 いろんなシチュエーションがあると思いますが、まずは自分がその環境にいられるということのありがたみ、感謝を忘れてはいけないということ。スポーツで例えるなら、サッカーに打ち込める環境ということです。色んな人の協力があるからそこにいられるということにまず感謝し、日々の練習に励み、睡眠や食事などの健康面の大切さを見直すこと。また、学業も絶対に疎かにしないで下さい。私はブラジルでZICO10(ジーコテン)というサッカースクールを経営しているのですが、そこではサッカーの技術だけに囚われないよう、学業で及第点を取ったら、練習できないというルールを設けているくらいです。これをやり始めて、結構評判もいいんですよ。

 それは素晴らしいですね。
今日はとても参考になる話を聞くことが出来ました。私たちも子どもたちのためにこれからも頑張っていこうと思います。
本日は本当にありがとうございました。

サクシードについて

 サクシードは、家庭教師派遣、個別指導教室の運営、学校法人や大手進学塾に対する人材派遣・紹介という3部門からなる教育事業を行っています。教育に特化した事業を総合的に展開する事により、全国トップクラスの教師、講師の登録数と質の良さを誇ります。また、人材採用のノウハウを活かし保育や福祉の現場への人材紹介も行っております。必要な資格を有した保育士、介護スタッフなどの質の良い人材を効率よくご紹介し、人材不足が深刻な福祉業界へ貢献しています。

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