算数の指導とは
算数を教える目的とは、どういうことか。大きな視点でいえば、論理力をはじめとした思考力を養うことと言えるでしょう。 しかし、実際中学受験という目標がある場合では、最もよく求められるのはテストで「点数を取れるようにすること」です。点を取るためには、単元の理解と定着が必要です。 家庭教師が担当するのは復習が多いことを考えれば、つまり家庭教師でできる大切なこととは「単元の定着を促す」ことの方が多いと言えるでしょう。
この理解と定着をはかるにはどのようにすれば良いでしょうか。その為に、中学受験での勉強の基本フローを考えてみましょう。 中学受験では、はじめに学校ではなく、塾で新しい知識を得ます。 そして、非常に多量の宿題を解くことで、解法を覚えていきます。このような場合だと家庭教師の仕事は家庭学習のサポートという役割を担うことになります。
以上から考えると、理解と定着を達成するためには、
(1)塾での理解の不十分を補うこと
(2)反復練習を効率的に行えるようにすること
の上記2つからなります。
そもそも学校や塾で教えてもらって完全に理解できる生徒の方が少ないわけですから、理解の不十分を補った上で、反復練習につなげることは非常に大切です。 これら2つは切り離せません。反復練習から理解の不十分を見抜き、補うこともあります。
ここでは、指導の際に生徒の理解の不十分を見抜きやすくし、問題演習をより効率的に行うために、反復練習のやり方を覚えてもらうことを中心に解説します。 以下では、家庭学習のやり方の指導をメインに解説します。
問題集の使い方
(1)できるだけ問題集には書き込まない
中学受験だと、書き込み型の問題集を使っている生徒はそんなにいないかもしれません。ただ、入門用の参考書や問題集は書き込み型が多く、そのような物をはじめて使うと得てして書き込んでしまうものです。 しかし、書き込んで提出しなければいけない問題集なら仕方ないとしても、問題集には解法や答案をできるだけ書き込まないほうが良いです。 理由は、解き直す時に手間が増えるからです。一々消したり、隠したりするのは時間の無駄です。それならはじめからノートにやるべきです。後述しますが、ノートに書くことは実際に試験を挑むときの練習にもなってきます。 原則、問題集には答案は書かず、ノートに書くようにしましょう。
(2)問題集に復習しやすい書き込みをつける
これは一見①と矛盾しているようにも見えます。ですが、必要な書き込みも存在します。問題集は一度だけ解くものではありません。 だからこそ、次やり直す時のために、前回解いた時は、どの問題が出来たかを明確にすると良いと言えます。 問題を解いた後、考えられる状況は3つあります。一つはきちんと解けて正解した場合、2つ目は解けたが答えが間違っていた、もしくはたまたま答えだけあっていた場合、3つ目は答えまで至らなかった場合。 これらを区別することは復習する上で大切になります。 出来た問題を解き直すことも当然必要ではありますが、テスト直前など時間が無い時だと復習する問題を絞る必要がありますし、何度やっても出来ない問題は弱点問題と言えるでしょう。そこで以下にチェックの仕方を例に示します。
これはあくまでも例ですが、自分の理解度を後でひと目にわかるようにするのは重要です。広い範囲の中で何を優先してやれば良いか。その見分けが着くようになってきて、生徒が自分一人で勉強できるようになっていくのです。
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