理科指導のポイント~状況別の指導のコツ

突然ですが、理科の理という漢字。一文字で何と読むでしょうか。 これは「理(ことわり)」と読みます。理科という科目は、沢山の実験の積み重ねから、自然現象の法則性を見つけ出すことで発展してきました。 つまり、世の「理(ことわり)」の科目なのです。これこそが、理科のという科目の全てです。 理科には沢山の専門用語や、規則・法則が出てきます。これらをただ暗記するだけが、理科ではありませんし、それでは国語辞典を丸暗記するのと変わらないでしょう。 理科が好きになれるか、もっと俗な表現をするとテストで点を取れるようになるかどうかは、この「ことわり」をわかるかどうかにかかっているのです。

生徒と接する上での理科

理科では用語を覚える暗記という側面ばかりが強調されがちです。問題演習にしても、ひたすら問題を解くことで解法を覚えていくということが、特に理科においては顕著に見られます。 実際のところは、これだと中々点数には結び付きません。用語にしても、問題演習にしても、そこにある自然現象を理解しないことには、同じ問題しかできるようになりません。 用語問題を例にあげてみましょう。ここで、問題です。被子植物において、花粉がめしべの柱頭に接することを何というか。答えは、受粉ですね。 これは、中学受験生なら常識ともいえる問題でしょう。この受粉は、植物の受精とは別の事を指す用語ですが、一連の現象です。 受粉は被子植物が受精する為には欠かせない現象なわけです。これを個別の用語として覚えることは無意味です。受粉も受精も、植物の種子の形成、有性生殖という現象のしくみ、「ことわり」の一部だからです。 続いて、「アサガオのつぼみを少し切り取って、めしべの花柱だけを取り出した。すると、このアサガオは開花したが、種は出来なかった。この理由を考えなさい。」という問題が出たとしましょう。 実験の結果から考察するタイプの記述の問題ですね。この時、種子が出来るまでの一連の流れとそれぞれの器官の役割を有機的に捉えていれば、「アサガオの花柱が開花前に切り取られたことで受粉できず、 結果種子の形成に至らなかった。」と推測できるわけです。試験の中の自然現象は、これが起きたら次は必ずこうなるという決まった論理があります。 その理解を助けるための専門用語であり、流れを有機的に理解できていればたとえ初見であったとしても、このようなタイプの問題はできるはずなのです。それを応用力がないからと片付けてしまっては、身も蓋もない話です。

問題演習と勉強

ここまでで、理科とはことわりの科目であり、出てくる現象を論理的に捉えていくことが重要であると気付いたはずです。それらを踏まえて、生徒にどう指導するかを説明してきます。

中学受験をしない小学生や、小学生低学年を指導する場合

このような生徒の場合、理科はまず身の回りにあることを強く意識させましょう。冒頭でも触れましたが、理科は身の回り(自然環境)の「なぜ?」からスタートする学問です。 学校で習った話を身の回りの話に置き換えたり、簡単な実験をしてみたりすることで、扱う現象を身近なところまで落とし込んであげると良いでしょう。 現象が身の回りにあるものだと分かってから、次にしっかり論理、「ことわり」を教えてあげましょう。もしかすると、この段階で、どうしても答えられないような「なぜ?」と出会うこともあるでしょう。 理科ではまだまだ分かっていないこともたくさんあるので答えられないのは仕方ないですが、一度生徒と考えてみた上で、こう覚えなければいけないという答えを教えるようにしてあげてください。 考えることが嫌いになってしまっては、理科という科目を好きになることはあり得ないのです。また、ここで考える習慣がつくことが、後々のいわゆる受験勉強・試験勉強に繋がっていくのです。

中学受験生や、中学生以降の日常的に試験や問題演習がある生徒を指導する場合

このような生徒でも、本当であれば理科の現象の日常性は意識して欲しいのですが、彼らには時間がありません。とは言え、全く知らない、見たことがないというのでは理解が捗らないでしょう。 そのような場合は理科の資料集やインターネット上の動画などで軽く見ておくのも重要といえます。 しかし、この時期の生徒を担当する上で、最もよく求められるのは、生徒が苦手であったり、間違えたりした単元・問題毎の解説やフォローになってくるのも事実なのです。 そのような時は、やはり問題毎、単元毎の問題解説は必ず行わなければいけませんが、ただこなすということだけは避けるようにしましょう。問題を解くのに必要な法則や知識は必ず説明なり、解説なりが必要です。 理科においては、そこの論理をしっかりわかっていない、吸収できていないから、間違えてしまうのです。 ケアレスミス等でない限りは、そこの確認が必要ですし、その解説の必要性を判断することこそ、生徒自身ではできず、講師の皆様が果たすべき役割になってくるのです。

試験直前の生徒を指導する場合

理科という科目は、中学3年生・高校2・3年生や中学受験をする小学校6年生でもない限り、日常の勉強で大きなウェイトを占めることはあまりありません。 国語、算数・数学、英語といった、長期間長時間の勉強が必要であり、優先順位の高い科目が存在するからです。 このような時は、上のタイプの生徒と同じく間違えたところや理解があやふやなところについては、原理原則から説明する必要がありますが、同時に重要な個所に絞ってやっていく必要があるのも事実です。 受験が近ければ過去問とその類題中心に、定期テストが近ければ重要な典型問題や学校から提示されたヒントとなる問題を中心にやることになります。 受験がそれほど近くない生徒ならこのような形で指導することが大半になると思います。

まとめ

理科という科目は、中学3年生・高校2・3年生や中学受験をする小学校6年生でもない限り、日常の勉強で大きなウェイトを占めることはあまりありません。 国語、算数・数学、英語といった、長時間の勉強が必要であり、優先順位の高い科目が存在するからです。 このような時は、上のタイプの生徒と同じく間違えたところや理解があやふやなところについては、原理原則から説明する必要がありますが、同時に重要な個所に絞ってやっていく必要があるのも事実です。 受験が近ければ過去問とその類題中心に、定期テストが近ければ重要な典型問題や学校から提示されたヒントとなる問題を中心にやることになります。 受験がそれほど近くない生徒ならこのような形で指導することが大半になると思います。

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