模試の成績をあげる方法
模試の成績は、読解力が反映されがちで、すぐに成績をあげるというのは困難です。 時間がある生徒を担当した場合は、読書量や問題演習を重ねることで、地道に指導していく形になることでしょう。しかし、ただやみくもに問題を解けば良いというものではありません。国語には問題を解く上でのテクニックがあります。これこそ、生徒が実は知らないことなのです。このテクニックを順番に説明していきます。
異なる二つのテスト形式
(1)問題は設問から読む
常識のようで意外と知らない人が多いテクニックです。 何を聞かれるかを頭に入れて問題を読むのと、読んでから設問を見るのとでは、時間消費が違います。 就職活動の言語系のテストでもよく言われるテクニックですので、時間をうまく使う上ではかなり大切なことでしょう。 ただし、いきなり設問から読めと言われてもどうすればよいかわからないものです。 そこで、次のようなチェックを入れながら読ませるとわかりやすくなります。
・抜き出すのか、論じるのか
抜き出す問題があるのかどうかをチェックするのは非常に重要なことです。 焦って、答え方を間違えることがないように、気をつける必要があります。
・「理由」「気持ち」「原因」「目的」にチェック
国語の問題では、「この時の気持ちを答えなさい」や「その理由を答えなさい」という形式が多く見られます。 このような問題では、文末の表現に気をつける必要があります。そのために、このような語句にチェックをつけるのです。
・もっともふさわしいものか、ふさわしくないものか。 選ぶのは一つか二つか。
選択肢の問題で、焦っているとよく見逃されるのがこれらです。これらも当然設問を読む段階でチェックをつければ、焦る可能性も減らすことができるはずです。
(2)段落番号を打つ
実際の試験ではそんなことをする余裕がないかもしれませんが、家で演習をやる上では重要なものです。 特に小学生の指導においてはしっかり行う必要があります。まだ文章構造を理解していない子どもが非常に多く、段落番号を打つことで、説明文の構造を理解させるのは、先々大切なことになるからです。
(3)線を引くための接続詞に記号をふる
国語の文章を読む上で、読みながら線を引いていく行為は大切です。では、何に注目して、線を引くのか。このヒントが、接続詞になるわけです。たとえば、「つまり」の後はまとめが来るため、抑えるべき文章が来るはずです。他の例としては、「確かに」の後にはそこまで大切な文章が来ることは少ないですが、そのあとに「しかし」を伴い、筆者の持論を展開する重要な目印になります。だからこそ、接続詞には記号をふるのです。次に簡単に記号の例を示します。
⇔:しかしなどの逆説
▽:つまりなどの要約・導出
←:なぜならばなどの根拠
+:そして、加えてなどの付加
=:すなわちなどの言い換え
□:たとえばなどの例示
「 :ところでなどの話の転換
この七つで事足りることがほとんどです。ただし、前置き表現がある曖昧な「が」、一見逆説に見える「ただし」などの接続表現もあることは頭に入れておいてください。
(4)物語文では、登場人物にチェックをする
物語文では、前置きなどが書いてあり、登場人物がわかりやすくされていることも多いですが、そうでない文章もあります。いずれにしても、登場人物を確認することで、人間関係を整理しておけば、 その場面場面の気持ちの動きも捉えやすくなるはずです。ついでに場面も確認しておくと良いでしょう。
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